得する税制ご案内
平成24年度税制改正の要点
平成24年度税制改正の要点をお知らせいたします。
所得税関係
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1. 給与所得控除の上限設定
給与所得控除は、給与金額が増えれば控除額も増えますが、控除額の上限が245万円とされ、給与年収が1,500万円を超える人の控除額が減少しました。
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2. 短期の勤務役員の退職所得課税の改正
退職所得は、退職所得控除を適用後の所得の1/2が課税対象ですが、役員として5年以下の勤続年数の法人税法上の役員、議員、公務員は1/2にする前の金額が課税対象です。
3. 特定支出控除の特定支出範囲の拡大と控除適用の見直し
法人税関係
1. 法人税率の引き下げ
法人規模
所得金額改正前
平成24年4月1日
以前開始事業年度改正後
平成24年4月1日
以後開始事業年度
平成27年4月1日
以後開始事業年度大法人 30% 25.5% 25.5% 中小法人
年800万円超30% 25.5% 25.5% 中小法人
年800万円以下18% 15.0% 19.0% ただし、平成25年~27年の3年間は各税率に100分の10を復興特別法人税として上乗せ部分があります。(15%×1.1=16.5%、25.5%×1.1=28.05%となる)
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2. 預金利息の所得税控除額の変更
法人の受け取る預金利息について、現在20%の所得税控除額が20.315%(所得税15.315%、地方税5%)に変更されました。
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3. 減価償却の変更
全ての法人の平成24年4月1日以降取得減価償却資産の定率法償却率の見直しがあり、従来の定額法の2.5倍とする250%定率法から2.0倍の200%定率法に変更されました。
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4. 欠損金の繰越控除の縮小
欠損金の繰越控除限度額が繰越控除前の所得金額の80%相当額とされ、平成24年4月1日以降開始事業年度から適用となりました。ただし、中小法人は従前どおり所得金額の100%相当額が認められます。また、繰越期間は7年から9年に延長されました。
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5. 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例の延長
30万円未満の少額減価償却資産を取得した場合、即時償却(合計300万円)の適用期限が平成26年3月31日まで延長されました。
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6. その他
中小企業投資促進税制の拡充・延長、交際費等の課税の特例延長、特定資産の買換えの場合の課税の特例の延長、環境関連投資促進税制の拡充、貸倒引当金の適用制限、などがあります。
更生の請求可能期間が5年間とされた、など詳細は税理士にお尋ねください。
資産税
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1. 直系尊属からの住宅取得等資金贈与特例の拡充
取得住宅の床面積は240㎡以下、ただし、東日本被災者は制限はありません。
省エネ・耐震住宅の取得の場合(ただし、東日本大震災被災者は全ての年1,500万円)
贈与年 非課税限度 平成24年 1,500万円 平成25年 1,200万円 平成26年 1,000万円 一般の住宅の取得の場合(ただし、東日本大震災被災者は全ての年1,000万円)
贈与年 非課税限度 平成24年 1,000万円 平成25年 700万円 平成26年 500万円 -
2. 住宅税制
(1)認定低炭素住宅にかかるローン控除の控除対象借入限度額の引き上げ
認定低炭素住宅
居住開始年 控除期間 住宅借入金年末残高の上限 控除率 平成24年 10年間 4,000万円 1.0% 平成25年 10年間 3,000万円 1.0% 一般の住宅
居住開始年 控除期間 住宅借入金年末残高の上限 控除率 平成24年 10年間 3,000万円 1.0% 平成25年 10年間 2,000万円 1.0% (2)認定長期優良住宅にかかる税額控除の延長
すでにある制度ですが、平成24年分所得税からは50万円に引き下げられましたが、適用期限が平成25年12月31日まで2年間延長されました。
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3. 土地税制
(1)特定の居住用財産の買換え等
平成24年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡については、譲渡対価が1億5,000万円以下の場合は適用できますが、適用期限が平成25年末日まで2年間延長されました。
また、居住用財産の譲渡損失の繰越控除等についても適用期限が2年延長されました。(2)特定民間住宅地造成事業等のための譲渡適用期限が平成26年末まで延長
(3)マンション立替にかかる特例
(4)特定の事業用資産の買換えの場合、譲渡所得の課税の特例は一部変更のうえ平成26年末まで3年間延長
以上、主な改正点を述べました。
ご不明な点がありましたら遠慮なくお尋ねください。
(平成24年6月14日:小林眞澄)
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